プロファイリング

TVでプロファイリングというのをやっていた。主に犯罪捜査に応用されているようだけど、人間の微妙な心理が表情や行動に表れることを利用する。
TVで放映できるのなんてごくごく一部だろうけど、すごい。嘘をつくときの表情の変化とか、万引き犯の不審な行動とか。これを見ても私には明日から他人の嘘を見破れる自信がないなぁ。
詐病というのがある。文字とおり、でたらめな症状を述べて医師を欺き、医師が書いた診断書を元に保険金をだまし取る。詐病には十中八九、お金が絡む。昔、病院実習中に詐病疑いの男性が入院していた。神経内科に「左足が動かない」と言って入院してきた30代の方である。トイレまで歩けないからと、トイレ付個室に入院していた。表情は真面目そのもの。しおらしくしている。そりゃそうだ、怪しいにおいをぷんぷんさせていたらせっかくの演技が水の泡である。さも困った顔をして座っている。
仰向けになって左足を上げてもらうと、びくともしない。これは彼の言うとおり。しかしうつ伏せになって左足を差して上げるよう言うと、あら不思議、左足をあげるではないですか。うつ伏せになって右左がわからなくなったんだな。もうひとつ決定的な事実があった。とある午後、主治医と一緒に突然部屋を訪れてみたところ、トイレからすたすた歩いてベッドに戻る後姿を発見。彼は慌てて右足に重心を移したが、バランスを失い「おっとっと」と左足でたたらを踏む形となった。もうこれで詐病が完全に判明。
彼の場合は単純でわかりやすかったが、中にはもっと上手に詐病を訴える人もいるはず。遭遇しないよう祈るばかりである。