コードブルー*実践編

夕方、仕事も終わりかけていて、明日の予定の確認をしている頃だった。
突然「コードブルー、コードブルー、2階検査室!」と放送があり、同僚とともに階段を駆け降りた。不謹慎だがこういうときはやはりテンションがあがるものだ。
行ってみると検査室のスタッフは「私はここで休むように言っただけなんです!」と自分に非がないことをさかんに強調してわめいているだけで、状況の説明ができない。もちろん、処置も全くなし。
ここで私たちが一緒に慌ててはいけない。同僚とともに今回の経緯を一問一答で質問しながら、気道確保など救命処置一般を施す。続々と到着したスタッフもそれぞれ心電図モニターを装着したり、家族を誘導したり、落ち着いて行動する。
そのうち主治医(検査を担当した医師)が到着し、医療チームは交代したのだが、ここで痛感したのはやはり「リーダーの存在」だ。

この時は同僚がリーダーとなった。
救命処置はほぼ決められたことを行うため、プロトコールというものが定められている。
必要なことを取りこぼしなく、手順に従って行うためであるが、それでも一連の処置はリーダーなくしては遂行できない。
彼のリーダーシップはまさに、数年後本当に救急医に転向することを予感するものであった。